認知症ケア専門士を目指す方法とメリット
2022/01/18
最終更新日:2022/01/18
介護業界の資格は、国家資格である介護福祉士などに加え、数多くの民間資格があります。
国家資格を保有していることはもちろん、様々な民間資格を取得することは、より専門性を高めスキルアップを目指すこともできますし、転職の際にも有利になります。その中でも人気なのが「認知症ケア専門士」という資格です。
では認知症ケア専門士を取得する具体的なメリットとは何なのか、資格取得への道のりや難易度についてご紹介します。
認知症ケア専門士の資格取得に興味がある人はもちろん、取得を考えていなかったという方も、是非ご覧ください。
一般社団法人 日本認知症ケア学会が2005年に創設し、主催している民間資格です。国家資格ではありませんが、更新制の資格となります。
公式サイトでは「認知症ケアに対する優れた学識と高度の技術、および倫理観を備えた専門技術士を養成し、我が国における認知症ケア技術の向上ならびに保健・福祉に貢献する」資格だとされています。
端的にいうと、認知症への理解や技術を深めたことを証明する資格です。
介護業界では介護福祉士の取得率が高いのですが、認知症ケア専門士は介護業界だけでなく、医師や看護師等の医療関係者が取得し役立てている、幅広い分野で今注目されている資格です。
認知症ケア専門士は認知症の方への関わり方のプロです。
認知症ケア専門士を取得し、より実践的な知識や技術を持った人材として活躍することが期待されます。介護の現場では、認知症の方への支援に困った際に、ケアの方法を考え直したり、他の職員の方やご家族様へアドバイスをしたり、重要な役割を任せられることもあります。
認知症ケア専門士と、その上位資格である認知症ケア上級専門士についてご紹介します。資格の違いでできる業務内容に違いが出るということはありませんが、より仕事の幅を広げるためには認知症ケア上級専門士の取得がオススメです。
認知症ケア専門士
認知症患者の方へ介護をする職員の、自己成長・生涯学習の機会提供を目的に創設された資格です。この資格を取得した人材が認知症の方や、そのご家族に対して高い知識と技能に基づきサービスを提供することで、日本の福祉に貢献することが期待されています。
認知症ケア上級専門士
チームリーダーや地域のアドバイザーとして活躍できる人材の育成を目的とした上級資格です。専門職としての倫理観への理解を深め、認知症ケアの方法を理論的に説明できる能力と実践が求められます。
認知症ケアに関する様々な知識や、必要とされる技術が身につきます。
まずは認知症の予防や、その症状の特徴につい、ケアの方法や方向性を理解し、現在認知症の方を取り巻く社会的環境について学びます。
総論と各論
総論では認知症ケアの具体的なすすめ方やご家族様の支援について、各論では認知症の方の身体的特徴や。認知症の行動・心理状況、その対応について、薬物両療法と非薬物療法について、リハビリテーション、施設・在宅における支援やターミナルケアについて学びます。
また、2次試験ではスピーチとグループディスカッションが行われ、客観的な視点で捉える力や、介護計画の立案能力が問われる試験内容となります。認知症ケアの実践能力も鍛えられますね。
この資格を持っていることで待遇や手当が良くなる場合も多く、転職の際にも有利になり、スキルアップにアップに繋ぐことが出来ます。
試験を受ける年の3/31から過去の10年間の間に「認知症ケアの関連機関や団体において」計3年の実務経験があること、とされています。
例えば来年2022年に受験する場合は、2012年4月1日〜2022年3月31日の間が対象となります。
ここで言う認知症ケア関連機関や団体とは、認知症専門の介護施設や病院に限らず、認知症ケアに関わっていれば職種や内容を問わず、受験資格にカウントされます。
ボランティアや実習はカウントされませんのでご注意ください。
①受験資格を満たしていることを確認
(過去10年間で3年間も実務経験)
②実務経験証明書と願書を作成・提出
(実務証明書・・・認知症ケア専門士の公式HPよりダウンロード)
(願書・・・・・・インターネット・電話等で購入 ¥1000-)
③1次試験 (例年7月)
(札幌/仙台/東京/名古屋/京都/福岡 希望の会場を選択)
④1次試験合格発表 (8月中頃)
(郵送にて結果を受け取る)
⑤2次試験受験申請 (8~9月頃)
(合格者は2次試験論述問題の論述と受験申請書類を提出)
⑥合格発表 (1月下旬)
(郵送で通知、インターネット上でも発表あり)
⑦登録申請
(必要書類を作成し、提出)
⑧資格取得
(専門士カードが送付される)
こうしてみると手順が多いように思いますが、一つひとつこなしていけば難しい手続きなどはありません。
一次試験の概要は以下の通りです。
試験分野
・認知症ケアの基礎
・認知症ケアの実際Ⅰ:総論
・認知症ケアの実際Ⅱ:各論
・認知症ケアにおける社会資源
回答は全てマークシート式・五者択一となります。受験料は、受験願書¥1,000-、1次試験受験料¥12,000-です。出題数は各分野50問の 計200問、4分野それぞれ70%以上の正答率で合格となります。
上記の一次試験に合格したら次は二次試験です。
試験内容は論述と面接です。
論述
認定委員会より出題される事例・問題の論述
面接
あるテーマについてスピーチとディスカッション
テーマは毎年、当日に発表されます。
二次試験の受験料は8000円で、論述・面接の総合評価で下記5つの要件を満たすことが合格要件とされています。
1適切なアセスメントの視点を有する
2 認知症を理解している
3 適切な介護計画を立てられる
4 制度・社会資源への理解
5 認知症の人の倫理的課題への理解
オンライン講座やアプリで勉強を進めることもできますし、年に1度開催される受験対策講座に参加する方法もあります。過去横浜や京都で開催されており、参加費用は¥15,000-でした。
受験費用は願書から二次試験までを合わせると21000円、公式テキスト代と試験会場までの交通費もかかりますが、スキルアップや給与・待遇アップにつながる、持っていて損はない資格です。
この資格は更新制の資格となりますので、その点にも注意が必要です。5年に1度の更新手続きが必要となり、書類を揃えたり必要な単位の確認をしたりと、準備に時間が必要なため、注意しましょう。
更新には30単位必要であり、単位は学術集会への参加や生涯学習プログラムへの参加、論文の発表などで取得する必要があります。更新料は¥10,000-。
毎年単位取得がギリギリになる、と言う方が多くいらっしゃいます。ギリギリで取得できる場合もありますが、集会やプログラムの開催スケジュールや定員オーバーにより受講できないこともあります。スケジュールには余裕を持って更新準備をしましょう。
また、単位取得が間に合わないからといって更新を諦めないでください!「資格更新保留申請」と言う制度があり、更新期間を1年延長してもらうことができます。
更新制により新しい知識を得ることができ、また仕事に役立てることもできます。
資格取得を悩まれている方は、まずは受験資格に該当するかを確認し、勉強を始めてみてはいかがでしょうか?